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「カット野菜」という成長新市場に果敢に挑んだ企業(岡山県)

2018年 秋号 2018.10.01


成長市場に積極投資し躍進 次は経営判断のためのシステムを
   岡山県倉敷市 倉敷青果荷受組合(カット野菜製造業)

食べやすくカットされた生野菜。高齢化、女性の社会進出で生活スタイルが変わり、「封を開けて盛りつければすぐに食べられる」カット野菜は、人気が急上昇。農林水産省の調査では、野菜消費の57%が加工業務用であり、食の外部化を裏付けている。

会社概要 倉敷青果荷受組合 (クラカグループ)
住所 岡山県倉敷市西中新田525-21
設立 1946年
従業員数 280名(パート含む)
事業内容 カット野菜の製造・販売、青果物の卸売
URL http://kuraka-g.com/vegetable.html/

 

即日出荷のスピード勝負 正確さとの両立にIT

この市場にいち早く着目し、1998年にカット野菜部を立ち上げたのが倉敷青果荷受組合である。同部門の売上は今や43億円に達し、西日本地区最大を誇る。

理事長の冨本尚作氏は次のように事業を説明する。
「野菜の価格は上下しますが、カット野菜は固定価格であり、一般家庭から喜ばれています。さらに、定時、定量、定品質、そして“低価格”が評価され、レストランや総菜店などがカット野菜を“部品”として活用するニーズが高まりました」

現在、全国150社・5200店舗へ出荷する。

工場では当日カットしたものを即日出荷。原則在庫はない。

さらに顧客の用途によりカットの種類は多岐にわたる。例えばキャベツなら1ミリごとのオーダーで約20種類に分かれているのだ。出荷予定便に合わせてスピーディかつ正しく業務を進めるために、積極的に設備投資とIT投資を行ってきた。

 

受注をデジタルで一元化、ピッキング指示はタブレット

まず取り組んだのは、多様な顧客からの受注を電子化し受注管理システムに一元化することだ。

Web・EDIを推奨。顧客の事情でFAXを使う場合は、専用紙を用いてOCRで読み取り、人のチェックを経てシステムに取り込んでいる。

「連日深夜までかかりベテランでないとできなかった受注管理作業が効率化された」という。

カット野菜工場内では、どの野菜を何グラムカットしたか、野菜秤の計量データをシステムに取り込み予実の確認ができる。
出荷前のピッキング室では、ホール野菜とカット野菜を同時に求める顧客への対応も行うため、タブレットによる出荷指示システムを展開。キャベツなど重い野菜を最初に詰め、カット野菜や軽い野菜が上部に来るようピッキング順が指示される。

 

効率化・正確さの次は攻めの経営と安全安心

人海戦術を脱した現在は、「安全安心の追求、他社との差別化を図る攻めのIT経営を目指しています」と冨本理事長は話す。
2016年に情報管理室を発足。システム課主任の片岡亮氏をリーダーに、次のIT活用をスタートさせた。

 

大きなテーマは原価の見える化とトレーサビリティだ。野菜は仕入れ価格が変動するが、入庫時にロット単位で登録管理し、出荷する商品ごと・取引先ごとに原価管理・利益管理を行う。また、万が一残留農薬が発生した場合、使った食材をトレースできるようにしていく。

片岡氏は、「利益構造を明確にし経営判断の材料にしていきたい。経営資源の集中によりさらに拡大が見込めるビジネスです」と意欲を見せる。

安全安心の追求では、工場内に監視カメラを50台ほど配置し、事務所で集中管理。フードディフェンスの一役を担っている。

冨本理事長は、地元の支援機関や専門家とも積極的に交流し、節目の決断・投資に果敢に挑んできた。現在は、気象データとの連動による需要予測などの紹介も受けているという。

まだまだ伸びるカット野菜の需要。倉敷発日本一へ、同社の挑戦は地域のさらなる活性化を牽引していく。

 

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