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人口減を乗り切る対策は?  ─発想の転換を支えるITの活用

2019年 夏号 2019.08.07


令和元年。元号が変わっただけではなく、人口減・高齢化社会に対応する会社へ変革するタイミングが訪れた。人海戦術や低賃金で利益を出すやり方から脱却していこう。

令和元年 新時代、人口減を乗り切る対策は?
 ──発想の転換を支えるITの活用

「求人してもなかなか人が来ないんだよね」との声が聞こえ始めて久しい。都内の飲食店でも、席が空いているのにスタッフが足りず顧客が外で並んだままという光景も目にするようになった。人口予測で明らかにされているように、日本はこれから人口減、そして高齢化社会を迎える。15歳〜64歳の生産年齢人口は2015年に6割だったが、2045年には5割近くに下がる。実数で現在の7割だ。

日本経済は、人口増を背景に発展してきた。家は建てれば売れ、家が建てば地域の店には顧客が足を運ぶ。募集すれば働き手も来る。税収も確保できる。
しかし、もはやこれを基盤にはできない。
人口減時代に経済を活性化するには、買い手を外に求め、ネット販売や海外への進出、インバウンド消費を増やす策が思いつく。
一方で、人数が減った働き手が、活発に消費し納税できることも必要だ。
期待されるのは、高い給与を支払える会社であること─多くの人を安い賃金で雇用することで利益を出してきたやり方からの脱却だ。

 

生産性を上げて給与をアップしたい

これまでよりも高い給与を支払うには、生産性を高めて原資を作るしかない。ここでいう生産性とは、売上から社外への支払いを引いた粗利益を従業員数で割ったものを指す。
一方、現在は夫婦とも共働きの家庭がスタンダードになり、男女にかかわりなく長時間労働が前提の職場は選ばれにくくなっている。集中して仕事を覚える時期はともかく、健康面でも生活面でも新しいことを勉強するにも、時間の自由度は高いほうが良い。また、フルタイム以外の働き方をする人や高齢者もどんどん受け入れ力を発揮してもらいたい。
この条件で高い生産性を実現するために、どう業務プロセスを組み立てるか。人が担うべきこと・機械やITに任せられることを整理し、限られた労働時間で高い成果を得るか。新しい時代に合わせて発想を転換する時だ。

これまで人でなければできないと思われていた仕事も、例えば飲食店でのオーダーをタブレットによるセルフオーダーにしたり、田んぼの水の状況を確認しに出向く代わりにIoTセンサーを利用して把握するなど、今ならITで代替・自動化できることがたくさんある。
パソコン上で行う仕事も、RPAのように定型作業を自動化したり、システム間でデータが連携し入力や移行作業がなくなったりと、便利さが高まり時間を捻出できる。
これを知らずに旧態依然としたやり方を続け「忙しい!」と嘆くか、うまくITツールを取り込んで、飲食店なら調理や接客、農業なら田んぼの面積を広げたり品質管理をしたりと、付加価値を高めるか。

答えは言うまでもないだろう。
IT活用により、限られた人数で売上増やコストダウンを実現し生産性を高める取り組みを後押しすべく、国はIT導入補助金を実施してきた。
今年で3年目となるが、補助金を活用した企業からは、様々な成果が報告されている。

 

IT導入を良い機会に経営改革に動く例も

「運送業用の勤怠管理システムで、法令を守りつつ効率的な労務管理が実現しました」
東京都の運送業・彦新では、ドライバーの労務管理を法令に沿って確実に実施するべく、ITツールを導入。条例で定められた上限時間に近づくとアラートが出て、「うっかり」も防ぐことができる。
このIT活用をきっかけに、さらに労働環境の整備を進めているという。

愛知県のエコ建築考房では、「残業は当たり前という風潮ではいけない」と改革プロジェクトを実行。勤怠管理も実施し、意識改革が進んでいる。

一方、「事業承継への体制が整いました」と微笑むのは広島県の河内建設だ。
顧客に喜んでもらう家を建てるために欠かせない顧客情報を、効率的に管理することに成功。会社の財産を、後継者と共有することができた。
当初の目的はもちろんのこと、事業承継という経営課題の解決にも踏み出せたのである。

新時代にふさわしい経営へ、発想の転換と生産性向上へのIT活用を実行していきたい。

 <本特集の関連事例>

 ・ドライバーの勤怠管理で会社が変わり始めた

 ・70代経営者の挑戦 顧客管理システム導入で事業承継が見えた

 ・働き方改革法改正への対応で、時代に即した勤務体系を見つけ出す!

COMPASS編集部(201905)

 


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