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ドライバーの勤怠把握で法令に先手 ーより良い労働環境目指しさらなる改善へ

2019年 夏号 2019.07.11


「100年企業」へ
  東京都江戸川区・貨物運送業 彦新

「ドライバーには、“せっかち君”より“のんびり君”が向いています。急がば回れ、なのです」
これは、鉄製品や食品の運送を手掛ける彦新(東京都江戸川区)の三代目・彦田敬輔社長が意識している採用方針だ。

会社概要 株式会社 彦新
住所 東京都江戸川区 一之江 8-19-6 彦新ビル 2F
営業所 2か所
設立 1953年
従業員数 35名
事業内容 鉄製品や食品等の運送。保有車両は37台
URL http://www.hikoshin.com/

 

価格競争が激しい運送業界にあって、同社は顧客と対等な関係を構築し適正価格で取引を進めるべく、「預かり品を預かった状態で安全に先方にお届けする」サービス品質を重視している。設立66年を迎え「100年企業を目指し会社を長く継続できる経営」がポリシーだ。
現在は関東、中部エリアを中心に荷主の依頼に対応。営業所2か所に計37台あるトラックはフル稼働である。

 

課題となっていたのがドライバーの勤怠管理である。
長年業務を指揮している取締役の大久保正氏は次のように説明する。
「大型免許のドライバーは、最大勤務時間が1日16時間まで、その回数やインターバル時間も細かく決められています。営業所から日報が集まり集計した後に時間オーバーに気づくのでは遅く、事務効率も悪いので、システム化が必要でした」

 

上限時間に近づくとアラート 法令順守のシフトに

では、どんなITツールがよいか。推進役を担った彦田佳子氏は、IT導入補助金の存在を知り、適用サービスからロジ勤怠システム社の「勤怠ドライバー」を選んだ。2018年秋に無事導入。
「運送業の方が作ったシステムであるため、業界で求められる機能が備わっていました。ITはわからないことが多いですが、足を運んで使い方を教えてくださるので、助かりました」と振り返る。

同システムでは、タブレット等による打刻入力に対応し、勤務実績が自動計算される。勤務時間が法令の上限に近づくとアラートが発せられるので、「うっかり」を防ぎ、先手を打ってシフトを調整することができる。
監査時は勤務実績表をプリントすれば記録として認められる。
また、クラウド型であるため、各営業所の状況を本社からリアルタイムで確認可能となり、事務作業の効率化により、本来業務に専念できる時間が増えた。
2019年4月からの働き方改革関連法改正にも対応。人材採用時に、休暇や残業について質問された場合は自信をもって回答できるようになった。
ただ、彦田社長は「ITで効率化しつつアナログの部分を残すことも大切」と指摘する。燃費の計算などは、自ら手を動かすほうが意識に残りやすいからだ。このバランス感覚が彦新らしさでもある。

 

今回のITツール導入をきっかけに、同社はさらなる労働環境の整備に取り組んでいる。その一つは、「会社の経営状況の積極的な開示によるベースアップと決算賞与の取り組み」(彦田佳子氏)というから楽しみだ。
従業員がより意欲をもって働ける100年企業へ、新たな歩みが始まった。


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