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世界に羽ばたく石垣焼 店舗のレジシステム刷新の理由とは

2019年秋号 2019.09.04


海外への本格展開を同じ人数で実現するには?
沖縄県石垣市―窯業・販売 石垣焼窯元
(IT導入補助金活用事例)

沖縄県石垣島、ブルーとエメラルドグリーンが美しい海岸近くに建つのが石垣焼窯元である。

 

人気が高い陶芸体験の教室、の奥では、琉球の海を彷彿させるブルーが際立つ石垣焼の品々が販売されている。

石垣焼は、当主・金子晴彦氏の父が生み出したよろん焼をルーツとし、粉末にした鉱石と透明のガラスを使用した焼き物である。油滴天目茶碗を代表に、日常使いの食器、アクセサリーなど種類も豊富だ。

 

人気のアクセサリー

 

会社概要 石垣焼窯元
住所 沖縄県石垣市名蔵1356-71
設立 2007年(創業は1999年)
従業員数 5名
事業内容 石垣焼の製造・販売(陶器、陶器アクセサリー等)、体験陶芸教室

 

アート分野で海外強化 既存業務が課題に

海外からの注目も高まり、イギリスの大英博物館に常設展示され、パリのサロンレベラッションでは金子氏が世界のベストアーティスト300人の一人に選出された。近隣の香港・台湾からの来客も多いという。

 

 

石垣焼窯元のWebサイト。英語、フランス語でも

 

 

現在、Webサイトは英語、フランス語に対応しているが、このほど、アート分野に焦点を当てたWebサイトを立ち上げ、海外への積極的な発信を行うこととなった。

「海外展開を現在のスタッフで実現するため、機械に任せられるところは任せようと。販売管理や在庫管理をすっきりしたいと思っていました」

業務管理を担当する工藤晴美氏は状況をこのように説明する。

 

工藤晴美氏(右)、幸田七生氏(左)

 

店内は観光バスが到着すると一気に顧客数が増える。この時にも販売をスムーズに進めたい。また、自社店舗のほかにホテルなどへの卸販売があり、販売・在庫管理が複雑だった。表計算ソフトExce lでマクロを組むなど工夫をしていたものの、慣れないスタッフのうっかりでマクロが崩れてしまうなど、悩みがあった。

 

POSレジと在庫が連動 使いやすくカスタマイズ

この課題を聞いた、地元でITサポートを行うアイテック(当時はシーシーアール)の仲村恒氏は、2018年秋、沖縄のITベンダーであるK.J.S.社の「結シリーズ」の活用を提案した。ちょうどIT導入補助金が申請できる時期でありタイミングもよかった。

「結シリーズ」は、財務会計を中心に、在庫管理、POSレジ、 仲村氏は、「POSレジサービスも増えてきましたが、地元でしっかりサポートしてくれること、クーポンの有無、ツアー顧客など多様な会計処理をこなすにはカスタマイズが欠かせないことから推薦しました」と話す。

具体的には、POSレジシステムを入れ替え、在庫管理、会計を連動できる仕組みだ。

商品が焼き上がると在庫データを登録し、バーコードつきの値札シールを出力して商品に貼り付ける。レジの際は、バーコードを読み取る。ツアー顧客やクーポン持参者のケースもレジに登録してあるので正しく対応できる。

販売データは、在庫の引き落としと会計処理に自動連携する。データを移す作業がなくなり、かつ正確さが保たれる。

新システムからは、入庫登録後、数量分の値札・バーコードシールがプリントできる

K.J.S.の営業事業開発部・八鍬佑紀氏はサービス方針を次のように説明する。

「当社は、沖縄県内を営業範囲とし、結シリーズを様々なビジネス形態に応じてカスタマイズ対応するのを特徴としています。沖縄では台風により通信障害が起きることもあるので、運用はサーバー型とし、レジの集計はクラウドで見られるなど利便性に配慮しています」

工藤氏は「メインのボタンを使いやすいところに配置してもらったり、相談しながら進められるので助かります」という。

同システムを今後、委託販売先への請求業務にも利用していく予定だ。

 

レジ連動自動釣銭機で現金処理もスピードアップ

POSレジの刷新と同時に、クレジットカード決済をレジと連動、さらに自動釣銭機も導入した。金額決定後、現金を投入するとおつりが自動的に出てくる。

 

「最初は大きな機械に少し違和感もありましたが、送料や割引対応の説明書類を入れたファイルが不要になったため、カウンター周りはすっきりしました。

また、自動釣銭機によって、レジ締めが簡単になり、中締めは不要に。何より、現金の差異が出ないので、再確認作業等に掛かる時間が圧倒的に少なくなりました」と工藤氏。

キャッシュレス化が進んでもなくなることがない現金管理が、スムーズになった。

「今後は、顧客管理もしっかり行いリピーターの方を増やしたい」と工藤氏は意気込みを語る。

IT活用によって海外への展開を支えると同時に、既存店舗の売上増への広がりが期待できそうだ。


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