出先でも安全に会社の仕事をする方法―テレワーク用ツール
2019年秋号 2019.08.20
出先でも、社内同様に仕事をこなし、時間を有効活用!
セキュリティに配慮した「VDI」のメリットとは?
「この業務のためにオフィスに戻らなければいけない…」─「テレワーク」ができないゆえに、大切な時間を無駄にしていないだろうか。取引先に積極的に足を運ぶ経営者や営業担当、育児や介護で出社が難しい社員などに対し移動中やホテル、自宅などオフィス以外で仕事ができる環境を構築すれば、業務効率の向上が図れ、またプライベートと仕事のバランスも取りやすくなる。
最近は、インターネットからソフトウェアを利用するクラウドサービスも普及してきたが、例えば社内サーバーで運用している受発注管理など独自のシステムやクラウド化できないものもある。さらに社外での業務は、情報漏洩のリスクなどセキュリティ面での不安もまじる。
「いつもの業務」を社外でも安全に行えるテレワーク環境はどうすれば実現できるか─。
有効な手立ての一つが「クラウド型VDI」である。
デスクトップの情報を呼び出して見る・操作する
VDIとは「仮想デスクトップ」のこと(Virtua l Des ktop In frastructure )。パソコンなど
で使用するO S、アプリケーション、データなどこれまで個々人のパソコンで使っていたものをすべてサーバー上に集約し、一人ひとりのデスクトップ環境を仮想で作る仕組みだ。これがクラウド上に構築され、サービスとして提供されているものが仮想デスクトップサービス(Desktop as a Serv ice )となる。
手元のパソコンからインターネット経由で仮想デスクトップにアクセスすれば、その間だけ社内システムを利用できる。パソコンは画面の表示と入力操作のみに使用し、データの保管は一切行わないので、万が一、端末の紛失や盗難が起きても、情報漏えいのリスクを低減できる。ソフトウェアのバージョンアップ等を端末1台ごとでなく一括管理できるメリットもある。
ただ、VDIの利用にあたっては、環境の構築や運用管理の手間がかかり、情報システム業務に人手をさきにくい中小企業にはハードルが高かった。また費用面も気になる…。
この状況も、NTT東日本の「おまかせクラウドVDI」の登場で、仮想デスクトップはいよいよ身近になる。
デスクトップのサービス利用を導入から運用までサポート
「おまかせクラウドVDI」は、アマゾン ウェブ サービス(以下AWS)が提供している仮想デスクトップサービス「Amazon WorkSpaces 」の利用に際し、NTT東日本が、導入・設定から運用保守までをトータルにサポートするものだ。
AWSのアカウント発行や設定、クラウドVDIのシステム設定、24時間365日のサービス監視保守、さらにアカウント管理やアクセス権管理、利用社員からの問い合わせ対応など、本来なら情報システム担当者が担う業務の一部も代行する。
「Amazon WorkSpaces 」の特徴である利用期間や端末台数の制約がないことは、中小企業には大きなメリットだ。パソコン1台で「まずは使ってみよう」という試験的な導入もOKである。
端末はパソコンやタブレット端末などを利用可能である。
毎月のサービス利用料は端末1台(1アカウント)につき基本料が3000円(税抜)、「Work S p a c e s 」利用料7000円(税抜)程度(スペックや為替により変動)となっている。
「Windows 7」サポート終了対策にも
2020年1月14日には「Windows 7」がサポート終了を迎える。
端末の管理が最小限ですみ、OSのバージョンアップをクラウドにて一括で行える「おまかせクラウドVDI」は、置き換えの有力な選択肢になるといえる。
人手不足の昨今、情報システム担当者に運用管理の負荷をかけず、今ある端末で導入できるテレワークの仕組みはメリットが大きい。自社に合った働き方改革を安全に実行するために「おまかせクラウドVDI」を検討してみたい。