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専門家が解説 私たちにとってのIoTとは?

私たちにとってのIoTとは?

2016.03.10


IoTとはなにか。一般企業の経営にどのような影響を与えるか。そしてどうやって一歩を踏み出すか。専門家に解説していただいた。(編集部)

株式会社トゥモローズ
代表取締役
堀明人氏(ITコーディネータ)

私たちにとってのIoTとは?

IoTは“Internet of Things”の略で、“モノのインターネット”という意味です。インターネットはこれまで、メールやウェブ、SNSなど、基本的には私たち人間が直接手を動かして使う道具でしたが、そのインターネットを、様々な“モノ”が「使う」ようになるというのがIoTの考え方です。モノがインターネットを使いこなす社会は、今とずいぶん違ったものになるのは間違いないでしょう。

IoT3つの利用段階

IoTは、利活用の段階によって次の3つに分けることができます。

  1. モノの動きを計測し、分析する段階(モノの見える化の段階)
  2. 計測・分析した結果のデータにもとづいてモノを制御する段階
  3. 蓄積したビッグデータ解析などによりモノが最適化・自律化する段階

自動車の自動運転技術のように、ニュースに取り上げられるIoTのほとんどは3の段階のものです。それもあってか、「IoTは未来の話、時期尚早」と性急に結論づけてしまいがちですが、実は何よりも1の段階に、現実に大きな変化と可能性が生じており、それこそがIoTが持つポテンシャルなのです。

高性能センサーの低価格化

モノの動きの見える化は、衝撃・傾斜・方向・温度・湿度・明るさ・気圧・人感・騒音・位置・開閉など、様々な状態を検知できるセンサーが安価に利用しやすくなったことで実現しました。

スマートフォンに代表されるモバイル機器の技術革新の恩恵を受けて、モノの動きを計測するセンサーデバイスが小型化、高機能化し、大量生産によりコストダウンがなされ、通信技術やクラウドサービスが充実してきたことがその背景にあります。

温湿度・衝撃センサーの例

温湿度・衝撃センサーの例

テニスラケットやゴルフクラブにセンサーが搭載され、スイング動作を計測し、分析・診断してくれる商品もすでに登場しています。靴や洋服、メガネやヘルメットなど、人体に着用するウェアラブルセンサーなど、ありとあらゆるモノにセンサーを付けることが可能になってきました。

IoTのはじめの一歩である“モノの見える化”に取り組みやすい環境がかつてないほどに整ってきた。これがIoTの現在地です。

センサーの活用で変わること

一般企業にとっても、例えば商品に衝撃センサーや温度センサーを付けて荷動きを可視化すれば、流通経路でどのように商品が取り扱われているかが一目瞭然になります。

製造設備の振動や環境を計測すれば、稼働状態が精密に把握でき、品質管理や保守の効率化に役立てられます。

さらにスタッフの動きを把握して、人員配置の最適化や健康・安全管理の充実に取り組むこともできるでしょう。

もちろんメーカーであれば、自社商品にセンサーを組み込むことで、新たな付加価値を顧客に提供することも可能になります。

割安になったセンサーで、ぜひ一度、現場の様子を測定してみてはいかがでしょうか。きっとIoTの新しい可能性が見つかりますよ。


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