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【連載】防災をテーマにしたIT活用と地域活動(第3回)

2016.04.01


地域活性化や安全なまちづくりの実現は、そこに住む人々の意識や主体的な活動が大切である。静岡県森町では、防災ネットの協議会活動を通じて、顔が見える地域活動が進んでいる。同活動のメンバーであり、IT活用のアドバイザーでもあるITコーディネータの和田喜充氏に森町防災ネット協議会の活動を数回にわたり連載していただく。(編集部)

身近に起きていることを動画で発信する訓練

「こんばんは。森町防災ネットTVの時間です。まずは今日の森町の様子を◯◯さんお願いします」

森町役場に併設された森町町民生活センターのロビーで、月に一度不思議な光景が見られる。

町民憲章を背にし、一時的に配置を変えたソファには普段着のキャスター。三脚にはテレビカメラではなくスマートフォンが設置されている。市民自らが情報のライブ配信を行っているのである。

森町防災ネットTVの配信風景

持ち寄った情報を各自のスマホを使って、Ustreamを利用したライブ配信に挑戦

いざというとき、誰が身近な情報を発信するか

2013年1月に協議会にて実施した町内アンケート(※3)によると、災害が起こった際の情報収集方法はテレビ、ラジオや同報無線が占める割合が大きく、ネットを活用しようという人はあまり多くなかった。

配信の様子しかし、実際に大きな災害が発生した場合は、こうしたメディアでは追い切れないごく身近な場所での危険に直面していることの方が多いだろう。そんな時に備えるためにも、日頃から身近なところで発信されている情報に関心を持ってもらうことが必要だろうと考えた。

いざとなったら一人ひとりが発信者となることも想定し、まずは協議会メンバーによる積極的な発信を試みようという挑戦が始まった。

誰かがやってくれるのではない。特別な設備や環境も必要としない。どんな状況下でもその時に身近にあるものを使って誰でもできる発信スタイルにも慣れておこう──というのが、『森町防災ネットTV』の狙いなのである。

身近な機器で交代で情報発信者に

カメラマンや機材係、キャスターは毎回持ち回りで交代している。

最初は遠慮や緊張をしていたメンバーたちも、回を重ねるうちに余裕が生まれ、今では誰もが咄嗟に色々な役をこなせるようになった。

時には役場の防災や商工観光を担当する職員もお知らせに登場する。

配信の様子-3

メンバーは毎朝の天気の様子をTwitterにつぶやき、台風接近などの際には身の回りの様子を積極的に投稿したりしている。

防災訓練の際に、訓練の様子を現場から生中継し、役場内の災害対策本部で視聴するといったデモンストレーションを依頼されたこともある。

また、臨時スタジオとして使っている町民生活センターは、町内でも唯一のフリーWi-Fiが使える公共設備。

Wi-Fiスポットがあれば何ができるかという検証にもなっている。町内のWi-Fi整備に関する見解を求められることも出てきた。

自分たちでできることは自らが発想し取り組んでいくという「自主防災の輪」を広げること。そのために身近なITを有効に活用して欲しいというのが協議会の願いである。

【左】アンケートによる災害時のIT活用意識調査(2013年1月実施) 【右】地域防災訓練の災害対策本部で協議会がライブ中継を実演(広報もりまちで紹介された)

【左】アンケートによる災害時のIT活用意識調査(2013年1月実施)
【右】地域防災訓練の災害対策本部で協議会がライブ中継を実演
(広報もりまちで紹介された)

※1 森町
※2 森町防災ネット協議会
※3 アンケートは町内6400世帯中、約1200世帯を対象に2013年1月実施

 

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