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訪問介護の業務連絡がこんなに便利にースマホで使えるアプリの効果

Webオリジナル 2018.11.08


ペーパーレス化を実現し特定事業所加算も -IT活用事例
  千葉県船橋市 さざんか

 千葉県船橋市で多様な介護サービスを展開しているさざんかでは、事業の1つとして訪問介護事業を手掛ける。

  業務を統括する「管理者」の富田眞由美氏、現場の指示や管理を担う3名の「サービス提供責任者」、70代のベテランスタッフ数名を含む約30名の「登録ヘルパー」で、質の高い訪問介護サービスを提供している。

 

 

会社概要 有限会社さざんか
住所 千葉県船橋市習志野台1-38-9
設立 2001年
従業員数 60名
事業内容 介護事業(ケアプラン作成、訪問介護、通所介護、住宅型有料老人ホーム)
URL http://www.sazanka.co.jp/

 

ペーパーレス化の必要から訪問介護支援アプリ活用へ

  1日のサービス提供件数は総計で数十件にものぼる。富田氏は、「訪問介護は基本的に一人で利用者様を訪ねるので、やりがいがある分、負担も重い仕事です。利用者様の望む曜日・時間にヘルパーを手配するにはまだまだ人手が足りません」と話す。

 その結果、サービス提供責任者には業務負荷がかかってくる。
 ケアプランに沿った訪問介護計画書の作成、サービス予定に合わせたヘルパーのシフト調整、実務に関する指示・指導、管理といった職務に加え、登録ヘルパーでカバーできないサービスを定期にフォローし、スタッフの休暇や緊急時の代役も果たさなければならないからだ。

 また、 へルパーは通常、直行直帰で仕事をこなすので、本部との情報共有も課題だった。

 

 

 

 こうした状況で、さざんかはまず、業務改善の一環として提供記録の控えなど、紙の電子化に取り組んだ

 かつて訪問介護の管理者を務めていた現・介護支援専門員(ケアマネージャー)の中村勝氏は、「まずは、1カ月に段ボール1箱分ほど溜まる紙のサービス提供記録をデジタル化することから始めました」と説明する。

  ただ、紙をスキャンする手間などもかかっていたため、「もっと効率化を図れる方法はないか」と模索も続けていた。

 そんな折り、提案を受けて2017年夏に採用したシステムが、ロジック社のITサービス「Care-wing介護の翼」だった。

 「実は10年ほど前にも、同社から提案を受けていましたが、スマートフォンの浸透率や利用者様側に与えるイメージを考慮し、時期尚早と判断しました」と中村氏は話す。しかし2度目の提案を受けた今はスマホも普及し、まさに機が熟していた。しかも、さざんかが構想していたもう1つの取り組みである特定事業所加算の要件にも対応できる。

 

70代ヘルパーも活用、IT導入補助金が弾みに

 「Care-wing介護の翼」は、事務所側の管理者やサービス提供責任者との情報共有を実現するクラウドサービス。スマホに搭載されているNFC(Near Field Communication)という近距離通信技術とICタグを採用した点が大きな特徴だ。

 ヘルパーは、個々に貸与された社員証のICタグをスマホで読み取り、クラウド上の業務予定や指示・留意事項などの情報を確認。訪問先の利用者宅に貼付したICタグにスマホをかざすと入室・退室の時刻が自動記録され(ICカードで鉄道の改札を通るのと同じ方式)、提供記録もスマホアプリ上での簡便な操作で入力が可能である。

 このような機能によって、提供記録のペーパーレス化とともに、特定事業所加算の要件の1つである「利用者情報やサービス提供時の留意事項の伝達およびサービス提供終了後の実施報告の記録・保存」を確実に遂行できる。「マンパワーだけでは実現が難しい要件を容易にクリアできるメリットは非常に大きいと感じました」という中村氏は、同サービスををすでに導入している千葉県内の同業者に足を運び、その効果やシステムの使い勝手も見定めたうえで、自社への採用を決めた。

 今では、70代のヘルパーも使いこなしているという。

 

 念願だった提供記録のペーパーレス化を実現。そして、「システム費用を上回る特定事業所加算を受けることができました」と中村氏は笑顔で話す。

 「Care-wing介護の翼」がIT導入補助金の対象システムであることも背中を押したという。

 中村氏は「以前から補助金制度のことは知っており、何かに使えないかと考えていたので、ロジックからの提案のタイミングも非常によかった」と振り返る。補助金交付の審査にプラスになるとのアドバイスを受けて「おもてなし規格認証」も取得した。

 

定着までの道のり―スタッフや利用者家族の反応は?

 システム導入は2017年10月。スマホ端末はロジックが提供するレンタルプランで調達し、ヘルパー用のICカードとシール式の利用者用ICタグは必要数を購入した。

 しかし、これまでずっと「紙への記入」を行ってきた現場へのシステム導入。スタッフの反応はどうだったのだろうか。

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