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【寄稿】中小企業経営者はデジタルにどう向き合えばよいか

2020年秋号 2021.02.14


一気に進んできたデジタル化に、私たちはどう対応するべきか。経営者はどうマインドを変えていけばよいか。中小企業のIT活用、また農業分野でのICT活用に詳しいITコーディネータの堀明人氏に寄稿いただいた。執筆時点は2020年8月です。(編集部)

 

環境変化にチャンスを見出す!
リーダーに求められる「デジタル」への感度

 

執筆:堀明人氏
株式会社トゥモローズ 代表取締役
合同会社デジトレ 主催
一般社団法人日本農業情報システム協会 専務理事

著者プロフィール
情報通信業界において情シス・マーケ・営業と一貫して企画畑を歩む。英国勤務時代に自分らしく生きる英国人のライフスタイルに強く共感し2007年に独立。中小ビジネスのデジタル化のサポート、観光農園の経営、業界団体の運営など多分野で精力的に活動中。 経済産業省推奨資格 ITコーディネータ一般財団法人日本GAP協会 JGAP指導員補

 

「中小ビジネスもDX(デジタル・トランスフォーメーション)に取り組むべきである」─と声高に叫ばずとも、すでに各社は動き始めているようです。

筆者の支援先である製造業では、今年の経営目標にAI活用を掲げ、全社をあげた取り組みを進めています。

他にも、人海戦術に頼りがちな仕事を要素分解して、ITによるオートメーション化を進めている産廃業や、スタッフの離職リスク削減のためのヒューマンマネジメントのアプリを独自開発しているサービス業、残業削減のためにIT活用と業務改善を推進している建設業、限界集落の存亡をかけてスマート農業に取り組み始めた中山間地の農業者などなど、全国各地の企業が「デジタル経営」に挑戦しています。

 

●原動力は人材への危機感

人口増の時代が終焉を迎えたいま、人材が無尽蔵であるかのように錯覚し、人材を“消費”するだけの職場はもはや持続不可能です。働き手に選んでもらえる職場、心身ともに健康に働き続けられる職場へ。人材という経営資源が重要な役割を果たすからこそ、リーダーは潮流の変化を敏感に感じ取っているのでしょう。

<取り組みの例>

・カラダの負担の高い仕事はロボットや自動処理で代替しよう

・ココロの負担の高い仕事に従事しているスタッフを支え、サポートできるシステムを整備しよう

・手間ひまをかける価値のある仕事だからこそ、自社ならではの効率的な仕組みを整え、働きやすく生産性の高い職場をつくろう

・地域を支えてきたベテランの経験、勘、ノウハウが雲散霧消してしまわないように、知恵を共有し、形式知化して継承しよう

 

●素早く見極め、着手する

裏を返せば、このようなデジタル化で、一人の人材の貢献度が高くなり、いきいきと活躍できれば会社の成長に直結します。環境変化の中にむしろチャンスを感じ取り、10年先を見据えて会社の強靭化、スリム化、スピード化、働きやすさへ、デジタルへの投資を進めています。

これからは、業種や規模の大小問わず、経営のデジタル化に真正面から向き合う時代になります。「デジタル経営」の巧拙はこれまで以上に業績に影響を及ぼすでしょう。

大切なことは、自社に必要なデジタル化のポイントを素早く見極め、着手すること。時間をかければ正解が得られるわけではありません。未知の人口減少社会ですから、前に進みながら最適解を見出していきましょう。

2020年は終戦から75年です。その75年前には明治維新が起きています。明治維新で江戸期からの秩序と価値観がゼロリセットされ、75年後に大日本帝国という近代日本の秩序と価値観が再びゼロリセット。そこから75年後、コロナ禍はこれまで当たり前と思っていた常識や習慣、ルール、行動様式や価値観が普遍の真理ではなかったことを白日の下にさらしました。

図らずも干支は庚子(かのえね)。新しい生命力が創造される年まわりだそうです。


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