催事場でファンをつくり、「次」につなげるWebサイト

2017年秋号 2017.10.03
リアルをネットに導きネット通販を伸ばす
   ――群馬県高崎市・乳製品製造販売業 タンポポ
     (攻めのIT経営中小企業百選2017 選定企業)
澄んだ空気に抜群の眺望。群馬県高崎市・みるく工房タンポポは、長坂牧場に隣接した敷地に本店店舗を構える。
 牧場で搾取した牛乳を原材料に、飲むヨーグルトや牧場ジェラートを製造販売している。
牧場で搾取した牛乳を原材料に、飲むヨーグルトや牧場ジェラートを製造販売している。
 「おいしいもの以外は作らない、牛の飼育から妥協せず、安全で新鮮な商品づくりをしています」と取締役の長坂幸夫氏は説明する。
同社は直営店3店のほか、百貨店などの催事場(物産展)に積極的に出展し、直接顧客に商品を体感してもらう販売方法を選んでいる。乳製品は多様なメーカーが商品を作っており、スーパーなどの店頭に置いただけでは、違いをわかってもらいにくい。直接顧客に説明しながら販売できる方が有利なのだ。
実際、飲んでみると、コクがありつつなめらか。「また買いに行きたいので次の催事出展が決まったら教えて」と言われることも多々ある。
こうしたリピート顧客にタイムーな情報を伝え、またネット販売の場を提供するのがWebサイトである。
「おいしい」理由はどこにある? 製造プロセスを丁寧に発信
以前からショップ機能のあるホームページを公開してはいたが、スマートフォンからのアクセス対策や、ショッピングカートの使い勝手、カード決済対応などについて顧客から要望が来ており、2016年12月にリニューアルした。
 「お客様からの声を踏まえた改良に加え、当社のように酪農家自らが乳製品を作るのはめずらしいので、乳搾りなど、商品ができるまでのプロセスを全部お客様に伝えるようにしました」と長坂取締役。
「お客様からの声を踏まえた改良に加え、当社のように酪農家自らが乳製品を作るのはめずらしいので、乳搾りなど、商品ができるまでのプロセスを全部お客様に伝えるようにしました」と長坂取締役。
Web制作会社はこの思いを受け止め、泊まり込みで取材と撮影を行い、商品製造の過程をわかりやすくサイトに表現した。
また、注文があった顧客のデータベースを一元管理できるシステムを導入し、近隣で開催予定の催事をお知らせするDMを送るなど、販売促進を効率的に進められる策も講じた。
 IT活用の取り組みにおいては、高崎商工会議所の支援も受け、規模や実情に即した選択ができたという。
催事で販売する際には案内パンフレットを必ず渡しているが、アクセス先となるWebサイトが整備されたことで、リピート購入がしやすくなった。
リニューアル前に比べ、総売上高の伸び率は33%、ネット部門単体では70%を超える伸びを見せている。
 卸売も含めた全売上に占めるネットの割合はまだそれほど多くはない。しかし、Webサイトで製造プロセスや商品の品質を発信したことで、催事販売や卸売先での売上にも貢献する相乗効果が出ているという。
リアルの繋がりをネットで強化。
 「おいしい。また飲みたい」─顧客の心が動いたとき、「次」の関係性を作りだすのが、タンポポのWebサイトなのである。
| 会社名 | 有限会社タンポポ | 
|---|---|
| 住所 | 群馬県高崎市鼻高町1380 | 
| 設立 | 1999年 | 
| 業種 | 乳製品製造販売 | 
| 従業員数 | 5名(正社員) | 
| URL | http://www.tan-popo.co.jp/ | 




 
			 
			
			
		







 
									 
									 
									

