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IoT活用推進、支援機関の役割とは?―東京都中小企業振興公社多摩支社

COMPASS2018年冬号 2017.12.18


個別企業の課題に沿ったIoTサービスとのマッチング
  ―多摩IoTフォーラム(東京都中小企業振興公社多摩支社)

製造業の経営者4名が自社の課題とIoTを活用した取り組みの方向性を発表。続いて、該当分野のIoTサービスを提供するITベンダーが自社サービスの特徴を丁寧に説明した─。

 

8月31日の「多摩IoTフォーラム」第3回目の様子。講師は堀明人氏

 

2017年8月31日に東京都中小企業振興公社多摩支社で開催された「多摩IoTフォーラム」第3回目のワークショップの様子である。フェーズは「マッチング」だ。

公社の「広域多摩イノベーションプラットフォーム」事業の一つとして、地元製造業のIoT活用導入を4回のワークショップを通じて具体的にサポートするものだ。ITコーディネータの堀明人氏と山本一郎氏がナビゲート役を担っている。

*広域多摩イノベーションプラットフォーム(IPF)… 多摩地域の中小企業を主役に研究機関や大企業との産学・産産連携により、市場の拡大が期待される「環境・エネルギー」「健康・福祉」「危機管理」などの成長分野へ進出する製品・技術の創出を目指す事業。市場でIoT を用いた製品が求められてきたことを受け、2016 年、分野横断的な取り組みとして「多摩IoT フォーラム」をスタートさせた。

 

セミナーの次にすべきIoT活用支援は?

IoTの活用が身近になった2016年は全国各地でIoTのセミナーが開かれた。2017年は「どう自社内に取り込み一歩を踏み出すか」が求められている。2016年にスタートした多摩IoTフォーラムもまず事例セミナー等を開催したという。

公社の経営支援担当係長・内田昇氏は次のように説明する。
「IoTを活用した製品開発に期待が寄せられていますが、市場に出ている数はまだ少なく、まずIoTで工場や事務所の生産性を上げるのが先と判断しました。2年目となる今年は、企業側にIoTを学びつつ戦略を立てていただき、ある段階にきたらITベンダーとのマッチングをする取り組みとしました」

公益財団法人東京都中小企業振興公社多摩支社
内田昇氏

  昨年のセミナー後、製造業の側はどう咀嚼して具体的に踏み込むか、IT企業側はどうビジネスを進めるかが課題とわかり、講師を務めた堀氏、山本氏らと議論を重ね、方向性を定めたという。

個別訪問でニーズを把握しソリューション候補を探す

第3回目のワークショップで経営者が発表した取り組み事項は、

「計画的に製造を進められる体制づくりのための見える化」
「経営判断の元となる客観的なデータがほしい」
「カメラを使った品質自動検査ができないか」
「機械の故障予知をして計画生産につなげたい」
「効率性と多能工化を図る基盤として、進捗の管理をしたい」
「動画による技術伝承を実行したい」
「刃物寿命をデータ管理して最適化を図りたい(経験値が少ない若い従業員が対応できるようにしたい)」 など。

受注形・量や、加工技術の内容、工場の状況に応じた課題と、それを解決するために「IoT」に求める役割が明確になった。センサー系のみならず映像系の期待も高い。

これを受け、ITベンダーは、映像活用、機械設備の電流計測、センサーデバイス等の自社技術を持つ4社が選ばれた。双方の発表後は、「この技術は使えそう」など、課題とIoTサービスが具体的に結びつきつつある様子がうかがえた。

実は、ITベンダーへの声かけ前に、公社スタッフとともに堀氏と山本氏が参加企業へ個別訪問している。

「単にITベンダーを紹介するだけでは企業のためになっているかがわからない。専門家のお二人にも直接現場に行っていただき、ニーズを把握してテーマに沿うITベンダー候補選びをサポートいただきました」と内田氏は説明する。

IoTはこれまでのIT以上に現場に入り込むため、企業のビジネス事情により使う技術や導入法が異なってくる。一般論だけでは次に進みにくいのもここに要因があると言える。当事業は、この課題を乗り越えるべく専門家が仲立ちするプロセスを組みこんでいるところに特徴がある。

参加企業は現在、2017年12月の進捗発表を目指し、専門家の支援を受けつつ導入計画を進めている。取り組みの成果報告会は2018年2月に開催される予定だ。

 


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