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【連載】防災をテーマにしたIT活用と地域活動(第4回)

災害時スマホ・タブレットで自分の安否を知らせましょう!

2016.06.21


地域活性化や安全なまちづくりの実現は、そこに住む人々の意識や主体的な活動が大切である。静岡県森町では、防災ネットの協議会活動を通じて、顔が見える地域活動が進んでいる。同活動のメンバーであり、IT活用のアドバイザーでもあるITコーディネータの和田喜充氏に森町防災ネット協議会の活動を数回にわたり連載していただく。(編集部)

ITツールが、緊急時に本当に役立つものとなるために

東日本大震災をきっかけに、「自分たちで防災のために備えておけることは何だろう?」という問いかけから始まった森町防災ネット協議会の活動も5年目を迎えることになった。

メンバーの意識は高まり、町のホームページや緊急同報無線の運用に関する提言、ライブ動画配信、地図と連携する情報アプリの提供など、活動成果は少しずつ形になってきている。

しかし、次の課題も見えてきた。メンバー以外の住民一人ひとりが普段から危機意識を持ち、日頃の防災活動や有事の際のITの有効性を広く認知すること。そして自発的に防災にITを活用してもらうための取り組みである。

まずは毎年秋に開催される地域イベント『もりもり2万人まつり』に、協議会ブースを設けてPRすることにした。

防災カード

災害時に頼れそうな情報をまとめた防災カードをイベントで配布

単なる展示では関心を持たれにくいだろうと、携帯できる防災カードを作成し配布した。防災カードには協議会のウェブサイト、災害時に役立ちそうなスマホアプリや情報サービスが紹介されている。普及が進むスマートフォンやタブレットは防災や災害発生時にも有効なツールであることを再認識してもらおうと来場者に声をかけたが、実態は理想と大きくかけ離れていたのだ。

スマホやタブレットは多くの人が手にしているにもかかわらず、電話やメール、そしてカメラ機能程度しか使っていない方がほとんど。せっかく手にしているツールの大きな可能性に気づかず、利便性を十分に享受できていない。正しい使い方すら誰からも教えてもらえずに戸惑っている方が多い実態が見えてきた。

スマホ・タブレットを相互に教え合う

そこで、協議会では毎年開催される町民大学・森の夢づくり大学にて「スマホ・タブレットよろず相談塾」と銘打った講座を開講した。これには予想以上の反響があった。

2015年5月から5回シリーズの講座にのべ150名ほどの受講者が集まり、スマホやタブレットの優れた点、基本的な操作方法、電波の種類と使い分け方、アプリをインストールして必要な機能を追加する方法、コミュニケーションや情報発信力を高めていく利用方法、その他ちょっとした疑問や心配事を、相互に教え合う形で解消していった。講座の終了後も、ずっと続けて欲しいという要望を受け、その後も毎月誰でも参加しやすい形で定期開催を続けている。

協議会では、正しい知識と問題意識を共有しながら、地域のさまざまな活動に積極的にITを活用できる防災情報協力員を、地区ごとに養成していけたらと目論んでいる。

防災だけではなく、より豊かな暮らしを実現していくために官民一体となったITへの取り組みができる町にしていきたいとの期待を寄せて、協議会の活動はこれからも続いていくことだろう。

「スマホ・タブレットよろず相談塾」で地域ぐるみのITリテラシー向上を目指す

「スマホ・タブレットよろず相談塾」で地域ぐるみのITリテラシー向上を目指す

※1 森町
※2 森町防災ネット協議会

 

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