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【連載】防災をテーマにしたIT活用と地域活動(第1回)

とうもろこしマップ

2015.11.02


地域活性化や安全なまちづくりの実現は、そこに住む人々の意識や主体的な活動が大切である。静岡県森町では、防災ネットの協議会活動を通じて、顔が見える地域活動が進んでいる。同活動のメンバーであり、IT活用のアドバイザーでもあるITコーディネータの和田喜充氏に森町防災ネット協議会の活動を数回にわたり連載していただく。(編集部)

とうもろこし直売所がスマホで探せる「とうもろこしマップ」

初夏になると、人口2万人ほどの小さな町のあちこちで早朝から行列ができる。 「遠州の小京都」と呼ばれる静岡県周智郡森町では、特産品のとうもろこしが出荷時期を迎え、町内に点在するとうもろこし生産者直売所には、 “採れたて”を求めて町外から多くの人が足を運んでいる。

森町のとうもろこし

森町のとうもろこし

メロンを上回る糖度を誇る森町産のとうもろこしは、収穫から時間が経つと糖度が下がってしまうため、夜明け前に収穫されたものをその日のうちに食べるのが醍醐味と、ここ数年直売所を訪ねることがブームになっている。

町内には30軒ほどの生産者直売所があるが、幹線道路から外れたわかりにくい場所にも多数存在している。人気の直売所は午前中で完売してしまうことも珍しくなく、「わざわざ足を運んだのに売り切れで入手できなかった」という声が聞かれるうえ、渋滞なども発生する。

そのため森町産業課農業振興係では、町内の直売所を案内する『とうもろこしマップ』を作成し、役場のホームページからPDFデータでダウンロード公開しているが、認知度はそれほど高くない。

地域資産をITで伝える

人気ある地域資産をITを使ってもっと多くの方に活用してもらうことはできないものか?そんな発想から、今年、新たな試みとしてスマートフォンやタブレットで利用可能な『とうもろこしマップ』が提供開始された。

地図上にマークが付けられた生産直売所情報は、スマホのGPS機能を使って現在地点から最寄りの直売所を一覧したり、連絡先や経路を調べるだけでなく、直売所が発信するブログの最新記事も簡単に閲覧することが可能となっている。

この仕組みを提案したのは、住民有志によって構成されている森町防災ネット協議会だ。防災ネットととうもろこしマップ。一見接点がなさそうだが、「地域をITで豊かに」との発想で結びついている。

「とうもろこしマップ」の画面。スマホの位置情報と連動しているので最寄の直売所を見つけられる

協議会にオブザーバ参画していた地域のITベンダー・シーポイントの『LINK(リンク)』という地図ベースの地域情報システムを災害時に役立てることを検討していたのだが、その前に、「ここに森町役場産業振興課が持っている生産直売所のデータ(オープンデータ)を組み合わせれば、簡単にアプリ版とうもろこしマップが提供できるのではないか」と、協議会メンバーから発案があったのである。

汎用性の高い情報システムとオープンデータのマッチングにより、企画から提供開始まで1カ月足らずの短期間で実装。とうもろこしの“旬”を逃さず公開にたどり着いた。

では、この森町防災ネット協議会は、どんな活動をしているのか。地域防災とIT活用の可能性とは。森町の地域活動を数回に分けて紹介していきたい。

執筆:ジョイプランツ代表 和田喜充氏(ITコーディネータ)

 

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