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第3回 グローバリズムへの幻想

2020.06.17


急速に高齢化が進む日本。とくに地方では廃業を食い止めるための支援や事業承継が課題である。未来をあきらめた地域には若者も夢を抱かない。

人口減少分を埋めるものと期待されるのが外国人の財布だ。グローバル視点で高い付加価値を提供するために何をすればよいのだろうか。

 

海外進出や創業の実際

人口減の地方で産業活性化として期待されるのが海外進出と創業である。

海外に商品を売る際に認識したいことがある。海外の企業は自ら製造した商品は自ら販売するが、日本企業は製造した商品は誰かに売ってもらう。どちらの収益性が高いかは明白である。

業界の役割分担を奨励し、相互の領域を侵食させない保護経済が、結果として日本の経済活動を弱くしてしまった。その恩恵を受けてきた多くの地方企業が、いまグローバルな自由競争の環境下で苦しんでいる。

一方、創業支援が促進されているが、その先の夢は見えているだろうか。人口が減少する地域でローカルビジネスを創業するのは、人がいない場所で店を開けるのと同じだ。安定した会社を辞めた後、想像以上に荊(いばら)の道だと気づいたりする。

 

東京一極集中の課題

中国は都市部集中から地方活性化の段階へ突入した。都市部の発展は抑えられ、地方部の発展が進んでいる。都市に集まっていた人口が地方へと再還流し、地方はその特性を生かした産業構造をダイナミックに再構築し、地方ドリームを生み出そうとしている。

日本はまだ、その資源を都市部に集中し、世界での存在感を高めることに積極的であるが、地方の価値を犠牲にしたグローバル化では、長続きしないのではないだろうか。一極集中なら、すでにシンガポールという例がある。

 

サービス産業こそ挑戦を

地方の価値を活かした挑戦が期待されるのは、サービス業である。海外で成功している日本資本のラーメン店は多い。

新興国が成熟へ向かうほど、製品は低価格に、商品やサービスは高価格にシフトしていく。

価格競争力が低下している製造業に多くを依存する日本経済から、高付加価値化が見込めるサービス業の強化への転換こそが日本のグローバル対応といえる。そして東京依存ではなく、地方からグローバルへの挑戦をすべきなのだ。

グローバルとは世界をリードする産業がスタンダードを作り出していくプロセスである。今ある価値をもとに、事業を再構築する。自然資源を多く有する地方には、その種はたくさんある。

インバウンド対応も同様だ。

自分たちのローカルに眠る価値を再認識しよう。

例えば海の近くのとある民宿では、体験を観光資源にと、魚のつかみ取りや近くの神社巡り、星空体験、五右衛門風呂などを、都会の子ども向けにPRした。

しかし実際は、こうした体験型観光を評価して楽しんでくれたのは海外からの旅行者だった。

そこに気づき、海外旅行者の視点でPRを行ったところ、今は海外からの顧客が7割を占めるまでになった。

漠然とした受け身の期待=幻想としてのグローバルを乗り越え、グローバル視点での事業再構築が求められているのである。

(執筆:加藤剛 寄稿内容は2020年冬号発行時期時点のもの)

 

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